ゴール直前、76kgの攻防戦

前回、76kgを切ったという記念すべき出来事からの経過。
左から体重、体脂肪率、ウエストです

75.9    24.2    83.5  便秘
76.0    25.2    83.5  便秘/風呂無し/睡眠3時間
76.1    25.6    83.5  600km運転/爆睡
75.7    24.8    83   便秘/風呂無し
76.0    24.5    83   ←いまここ

揺れ動く5日間という感じです。まあ、なんとなく、こういう微妙な増減を繰り返すのではないかなぁと。76kgを100g下回ったくらいでぬか喜びするのは止めようなんて、思っていはいたんですけどね。とくに根拠はないんですよ、

ただ、どうにも体重の減少に比例して、便秘する頻度が高くなってきているわけです。そういう体の変化から、なんとなく数値の上下を予感していたと言うわけです。ここまで、ほぼ3kg体重が減り、体脂肪率も減り、ウエストなんか5cmも細くなっているわけです。それでもなお、何もしないで、サプリを飲むだけでドンドン痩せて行くのかと考えると、不自然にも思えますね。

とにかく、消化吸収されるといっても、入った物が出ないのだから、単純に考えれば体重が減るのはおかしいわけです。で、笑っちゃうのは、便秘の日の翌日は体脂肪率も上がる傾向になることです。以前に「体脂肪計は、ウンコも脂肪にカウントするのか?」なんて冗談じみたことを書きましたが、実際に便秘になると体脂肪率が上がるという人は多いんですね。で、その理由はと言うと、どうやら体の水分量にあるのではないかと。

家庭用の体脂肪計のほとんどは通電式なわけです。体に微弱な電気を流して、その抵抗値を測定している。当然、脂肪=油は絶縁体ですから電気を通さないし、水は逆によく通す。便秘と言うのは、体の水分量が不足している状態であることが多いので、結果的に抵抗値が上がるのではないか、このような指摘が多いわけです(だから、風呂上がりや運動直後は。体脂肪率が低く表示される)。なるほど、水不足ですか、そうですか。

結局、水分の件も含めて、基礎代謝といったものが人間の体に大きく影響していることを、改めて実感しております。「そんなもの誰でも知ってるわい」と言っても、やはりこのように記録にしてみると納得できますね。ええ、もう便秘どころか、風呂に入らない、十分な睡眠をとらない、すると翌日は必ずと言っていいほど、体重も体脂肪率も増加するわけですよ。少なくともあたくしの場合は。

じゃあ、便秘の件は、いま以上に水をガバガバ飲めば改善されるのか? とか、体重や体脂肪の誤差やその傾向も分かった、ならば一定して減少しているウエストサイズが目安として最適ではないのか? とか、日々の記録を付けることによって色々な事実や課題、疑問が浮かび上がってくるわけです。

こういう、記録とか日記とか、重要なんですよ。頭の中だけでは整理できないし、具体的なイメージが出来ないからですね。実はあたしにとって、これが人生で2度目の日記(記録)なんですね。1回目は何だったかのも、いずれお話ししようかと思っていますが、とにかく色々なものが見えてきますし、気付く事が必ずあるわけです。

まあ、昔から“規則正しい生活を送りましょう”とか、“清潔にしましょう”なんて、何かあればお決まりの文句なわけですが、いまさらながらにその言葉の示唆する事実を実感しているというわけです。そう言えば、“毎日、日記を付けましょう”なんて言うのもありましたね。

50歳を目前にし、中学生と小学生の息子までいるというのに、このおやじは今頃なにを抜かしているのかと。本当に大笑いです。で、マヌケついでに、声を大にして言っておきます。

みなさん、記録は大切です。それは自己管理そのものです。

あと、3日で1ヶ月終了です。本当にありがとうございますた。

ついに75kg台に突入しました

それは、22日めの朝のことでした。

あたしの体に重大な異変が起こっていたのです。いつものように、朝の日課として体重計に乗ると…

75.9kg ??? ……うわあぁぁぁぁ、76kgを切っている!

いやもう、驚いたのなんのって、マジに震えが来ましたよ。75.9kgの数字には。体重が75kg台になるなんて、何年ぶりのことだか全然覚えておりませんがな。

しーかーもー、

ウェストが83.5mm!
体脂肪率が24.2%!

夢なら、どうか醒めないで下さい。そんな心境です。

「毎朝一粒飲むだけ? それで効いたら誰も苦労しませんよ。はいはいワロスワロス」なんて言っていたわけですが、こういう結果になってくると、ニンジンサポニンは“本物”だと思います。もうここまで来ると、そう言わざる得ませんね。

5月を前にして、気温はどんどん上がっているわけですが、それにしても“体が熱い”んですよ。ここ10日くらいは、首から背中にかけてのあたりが、ときどきカァッときます。喉も渇くわけです。どう考えても効いているんでしょうね。いや〜、正直言ってここまで変化があるとは思ってませんでした。

いやもう、これはうれしいよりも怖いですよ。

だって、食事も運動も、他に何にも努力していないんですよ? こんな馬鹿な話があるわけないじゃないですか。でも、痩せてしまったのだから仕方がありません。

     体重   体脂肪率  ウェスト
1日め   78.8kg  25.7%   88cm
22日め  75.9kg  24.2%   83.5cm
     −2.9kg  −1.5%  −4.5cm

あと、約1週間で、ひと箱30日分が終わるわけですが、あたしはどうなってしまうんでしょう? 体からニンジンが生えてきたりしたら、どうしよう…そういうわけで、このオタネニンジン=朝鮮人参のサポニンとは何物なのか? ちょっと詳しく調べてみることにします。

ハマグリ

毎年、ハマグリを獲りに行くんですけどね。場所は千葉の某潮干狩り場です。

まあ外房の九十九里あたりはハマグリが獲れることで有名ですが、あちらは胸のあたりまで海に入って獲らなきゃならない。第一、遠いです。で、東京湾に面した場所でも、ハマグリは獲れるという情報を得て、3年前から調査に乗り出したわけです。

だいたい、潮干狩りと言えばアサリが相場なんですが、時々ハマグリが獲れたりする場所はわりと知られてます。でも、そんなことじゃあ面白くないと、アサリとハマグリでは食材としての格も味わいも全然違うと。そこで、ハマグリが獲れたというネットの情報などを参考に、いくつかの潮干狩り場を回ってみたわけです。

そうしたら、運良く3回目にいまの場所に巡り会ったわけです。おおよそ、ハマグリの居そうだろうと思われる地点を掘ってみたら、もう最初から大漁ですよ。1人2kgのハマグリなんて、生まれて初めてです。しかも、食べてみれば滅茶苦茶おいしいとくれば、これはハマります(洒落じゃないですよ、念のため)。

でかいのは焼きハマですね。もう熱々のプリプリ。獲れたてですから、身の弾力とジューシーさはお店で売っている物とは別物です。次は酒蒸しで1杯ですね。残ったのは大鍋でクラムチャウダーにするわけで、濃厚な出汁には悶えるほどです。2日間は楽しめます。もうハマグリなんか見たくない状態ですね。

しかも。ハマグリには血圧やコレステロールを下げ、肝機能を高めるタウリン(ファイト一発ですね)を多く含んでいるのをはじめ、粘膜を保護するビタミンB2、貧 血予防に効くビタミンB12や鉄、カルシウム、亜鉛などが豊富ですから、いやもう中年カップルがおやじが食べるには最高の食材ですよ。ちなみに国産モノの流通価格はkgあたり3,000〜5,000円だそうですな。潮干狩りの入場料は1,500円ですw

で、なんで東京湾でハマグリなんだと。どうしてハマグリがいっぱい獲れるのかと。アサリにしてもそうですが、基本的に稚貝を播いて畜養しているわけです。これは漁協の立派なお仕事で、自分たちの水揚げと、観光資源としての収益の両面を考えているわけです。まあ、アサリがそうなんだから、高級なハマグリが天然なわけがない。

それどころか、日本の天然ハマグリは絶滅の危機に瀕しているのが現実で、漁獲高が激減しているのが最近の傾向だそうで、スーパー等で売っているハマグリのほとんどは中国産の輸入ハマグリでございます。このシナハマグリは国産に比べると、粒が小さくてお安いわけです。国産の大粒は大変お高い場合がほとんどです。さらに、国産ハマグリにも種類があるというのは知りませんでしたよ。

日本のハマグリには「ハマグリ」と「チョウセンハマグリ」の2種類があって、ハマグリは内湾、チョウセンハマグリは外洋に面している海岸に分布しているそうです。基本的にはどちらも同じハマグリなんで、パッと見は分からないものの、調べてみると微妙に違うわけです、これがまた。

下の画像は今回の収穫の一部なんですが、よく観察してみると確かに違うんですね。まず、チョウセンハマグリは色が薄く白っぽい。そして、決定的に違うのは、丸みを帯びたその形状ですね、ハマグリの方が円に近く、チョウセンハマグリは少し偏平しているわけです。調べてみたら「あ、本当だ」と。

ちなみに大きさなんですが、今回の7.5cmは新記録です。いやもう、掘った時の手応えといい、重さといい、別格でしたね。これまでの最高記録は7cmでしたが、だいたいこのサイズで5年モノですね。画像でもお分かりのように、殻にある成長線のような筋から考えると、今回のビッグワンは、6年モノにさしかかった個体ではないかと思えます。

この2種類の国産ハマグリ、実は中身も微妙に違うんですよ。ハマグリは全体的に身が白っぽいのに対して、チョウセンハマグリは足の部分が少し黄色っぽい。味も違う。ハマグリの方が甘みが強く、肉も軟らかい。対してチョウセンハマグリは微妙に硬く、味もなんとなく単調な感じがするわけです。これまで「どうして同じハマグリでも、微妙に味や舌触りが違うのか?」と思っていたわけですが、そういうことだったんですね。

このように、内湾のハマグリに劣るという意味で、外海のハマグリはチョウセン=朝鮮の名前がついたという説と、丁線(波打ち際。本来は汀線=テイセン)にいるからという説があるわけです。でもまあ、日本周辺のハマグリには5種類あって、国産の2種類に、先ほどのシナハマグリ、台湾ハマグリ、シロハマグリという名前ですから、まあ丁線の字は後付けでしょうね。

結局、東京湾でハマグリが獲れるのは、絶滅の危機に瀕している国産ハマグリを、それも江戸前のハマグリを復活させようという、千葉の某漁協のここ10年くらいの努力の成果だという話です。おそらく、あたしが獲っているハマグリは、その漁協が畜養したモノが移動し、居心地の良い場所に定着して育ったものだと思います。何でもハマグリは一晩に数100m移動するほどアクティブだそうですが、環境が変わらない限りだいたい居場所は一定だと。

だから、あたしが行く場所はいつも同じなんですよ。アサリを獲っている家族連れなんかは、ハマグリのことなんか知らないから全然来ませんよ。ほんと、あたしのようなマニアがちらほらいるだけ…だったんですが。今年はなんだか人が多い。それも、おおよそハマグリハンターらしからぬ出で立ちの一般人風。

したらば、漁協のおじさんが「今年はさ、あんたらの行くところに、一目散に行く客が増えたんだよ。なんだっけ、ほら…あ、ツイッター。あれでつぶやいた奴がいるんだよ」とおっしゃるわけですよ。いやもう、気絶しそうでした。ついにここまで来たかと。

そういう場所は教えないのが、大人の遊びでは暗黙の了解なんですけどね。後先かまわず得意げに実況したんでしょうね、「ハマグリなう」とか言っちゃって。“馬鹿発見器”とはよく言ったもんです。本当にありがとうございますた。

 

楽して痩せるという贅沢

そういうわけでダイエットの話なんですが、明らかに痩せてきました。いやほんと、今度は本当に驚いています。開始19日めの時点で、体重で2.2kg、体脂肪率で約1%、ウエストサイズは、な、なんと4cmも減少しています。

  体重 体脂肪率 W
1日 78.8kg 25.7 88
2日 78.3kg 25.5 88
3日 78.1kg 25.2 87.5
4日 77.8kg 25.1 87
5日 77.5kg 24.8 87 風呂入らず
6日 77.6kg 24.5 86.5
7日 77.3kg 24.5 86
8日 77.4kg 24.2 86
9日 77.6kg 24.1 86
10日 77.2kg 24.6 86
11日 77.1kg 24.4 85.5
12日 77.7kg 25.2 85.5 便秘
13日 77.3kg 24.3 85 風呂入らず
14日 77.7kg 24.6 85
15日 77.2kg 25.2 85 風呂入らず
16日 76.6kg 24.7 84.5 
17日 76.6kg 25.2 84.5 便秘
18日 76.2kg 25.1 84
19日 76.6kg 24.6 84

とにかく、いま飲んでいるサプリメントが、本当に効くのかどうかを見極めるために、生活習慣はなるべく変えないようにしているわけです。意図的に食事量を減らすとか、意図的に運動量を増やすとか、そういう合わせ技を使いたくても使わないでのチャレンジであります。今回は、モニターとしての責任もありますので、少しでも正確なデータを残してみようと、ちゃんと毎日の食事内容を記録し、気がつけば体の調子や変化も記録しているわけです。

ちなみに、そういうダイエット方法がありましたよね。実践した方の感想等を読むと、けっこう効くとおっしゃっている。ええ、もうその通りだと思いますよ。あたしも生まれて初めて、そういう記録を付けてみたわけですが、もう意識せずにはいられないんですよ、これがまた。しかも、着々とサイズダウンしているわけですから、こうなると本当に食事のコントロールとか、運動とか、したくて、したくて、たまらないわけですよ。もう、毎日がそういう自我との戦いです。

食べたくないのに食べなくてはいけないなんて、普通のダイエットからすると正反対、とても贅沢な悩みということになるんでしょうかね。そういった意味では、こんな楽なダイエットはありません。何もしないで体重が1日で100g、ウエストが1日で2mmづつ減って行くわけですからね。本当にありがとうございますた。

で、そんな毎日の記録を眺めていると、明らかになったあたしの事実というものがありました。これが笑っちゃうことに、糞詰まりの日と、風呂に入らなかった日は、体重が増えたり、その変化が止まっているんですね。それがまた見事にシンクロしているわけです。で、その翌日にストンと落ちる。まあ、代謝とか、循環とか、そういうことを考えたら当たり前なのかもしれませんがね。

とくに、このサプリメントの場合は、代謝が上がるから「水を多くの飲め」と言っているわけで、水分不足による便秘とかは十分に考えられるわけです。実際に飲み続けていると、普段よりも喉の渇きを感じる場面が多くなりました。まあ、そうやって水を多く摂取して、それをまた出して、代謝のサイクルを促進したら老廃物の排出も進むと思います。そうなると美肌効果なんかも期待できるのではないでしょうか?

いやまあ、あたしは男ですけどね、やっぱりお肌はキレイな方がいいじゃないですかw

そういわけで、1ヶ月後が非常に楽しみになってまいりました。

 

メカニカル・フードの侵略

今回はダイエット日記ではございません。

政府はとりあえずTPP参加決定を先送りしたようですね。あんなのもの参加してもらっても困るんですけどね。日本の国力がますます低下するわけで、それが奴らの狙いではあるんですが。で、なんでTPPがヤバいのか。

私たち下々の者どもにはロクな説明もないわけで、いまいちピンッとこないわけです。お米がどうだとか、第一次産業がどうだとか、細かいディティールでの議論もありますが、全体的な話があまり聞かれないわけです。まあ、簡単に言えば、TPPは資本家による統制と搾取をより強化するための手段ですね。

あたしが大好きなドキュメンタリー映画で、フード・インクという作品があります。2008年の製作なんですが、現代のアメリカにおけるフードシステムの実態を描いた、非常にセンセーショナルな内容で、欧米では注目された作品です。

何がスゴいかって言うと、ファストフードを始めとした大量消費に向けた食糧生産の効率化の実態を描いている点ですね。

ちょっと前に話題になった、ピンクスライムミート=ハンバーガーのパテが、どのような生産工程で作られるか? たぶん、それを初めて公のものとした作品ではないでしょうかね。いやもう、強烈です。O-157を殺すために、肉をアンモニア消毒するわけですよ。

なんでO-157かというと、牧草ではなくコーンが中心の配合飼料を牛に食べさせるていることが、この凶悪な細菌が繁殖する原因だという話です。

で、10年くらい前に全米ではハンバーガーを食べて、O-157に感染して死人がたくさんでたんですね。だから、消毒しちゃえば大丈夫じゃんって話です。なにしろ1枚のパテは、いろいろな牛150頭の肉がごちゃまぜになってるそうですから、いちいちチェックしてられないと。

その他にも色々と出てきます。農薬メーカーのモンサントが、遺伝子組み換え作物でアメリカの穀物生産を牛耳っているわけですが、彼らの方針に従わない誠実な農民が、陰湿な手口で廃業に追い込まれていく様子とか。食肉メーカーの処理工場で不法滞在外国人労働者(主にメキシコ人)が、使い捨ての奴隷のごとく扱われている事実とか。

問題はここです。

 

なんで彼らは入国管理局や警察に怯えながら、過酷な労働環境で働き続けるのか。地元で仕事がないからですね。彼らの大半は、関税自由化でアメリカ産の安いコーンがなだれ込んだために、職をなくしたメキシコの農民なんですよ。

不法入国ゆえに過酷で低賃金の仕事に甘んじるか、危険きわまりないが高給のドラッグビジネスに関わるか、それしか選択肢がない。実はこれが、メキシコの麻薬戦争を国内紛争レベルにまでエスカレートさせている大きな要因というわけです。

そして、こういう“システム”の根本にあるのは、資本主義を超越した拝金主義だと言うことです。巨大資本の金儲けのためには『命』や『精神』は邪魔になるんですね。

家畜を物に、農家や生産者を奴隷に、そして消費者を犠牲にすることで、薬品まみれの安い食物が堂々とまかり通っている。なにしろ、金にモノを言わせた企業のロビー活動は強烈で、議会や裁判所、FDAなどには食品関連企業のOBがゴロゴロしているというわけです。

で、TPPといった国際的な関税撤廃化は、こういった巨大な食料資本の活動範囲を拡大するための手段のひとつであることが、この作品から理解できるというわけです。

結局、食べ物と言う直接的な方法と、政治と言う間接的な方法の2方向から、あなたや、あなたの子供の将来は非常に危機的な状況に追い込まれようとしているわけで、この作品には近い将来の日本の姿が描かれている可能性もあるわけです。

日本では殺人ユッケなんて事件もありましたね。あれもまあ、O-157の付いた肉をいい加減に扱ったわけですが、生肉を禁止すれば良いって問題じゃない。根本原因は、なんだか分からないような肉を、なんだかわからない人間が調理し、なんだか分からない客が食べたことにあると思います。

そこにあるのは、悪意によって仕向けられた無関心による無知ですよ。だいたい、生食用の和牛肉が280円だかなんだかで、食べられるわけがない。それが「おかしい」と思えないのが「おかしい」わけです。

安ければ良いのか。便利なら良いのか。そういう食べ物がどうやって作られているのか、知っておいたほうがいいと思いますよ。これはアメリカだけの話ではないんです、日本でもやっていることは大して変わらない。

食肉生産の実態なんか知ったら卒倒しますよ。死にたくなかったら安い肉(とくに加工肉)は、本当に止めておいたほうがいいですよ。まあ、高いのもヤバいんですけどね。松阪牛の肥育場を見てからは、霜降り=脂だらけの肉は食べないようにしています。

 

このような事実に対するアンチテーゼとして、この作品にはヴァージニア州のポリフェイス・ファームという有名な自然農法の農場が登場します。

ここのオーナーのジョエル・サルティンって人が、これまたスゴくカッコいい大将で、言うこと成すこといちいち筋が通っていて迷いがない。一種の天才だと思います。その確固たる生産哲学や、農場の風景に、あたしは感動して涙が出ましたよ。

この大将は「経済はエコシステムを犠牲にした。世の中は“メカニカル・フード”ばかりだ。でもここでは、エコシステムで家畜を育ている」と言い、牧草を“牛のサラダ・バー”と呼び、鶏は自分のところで絞めている。まあ、そこにあるのは昔の日本では当たり前だったはずの風景なんですけどね。

こういうスタイルを真似ることは、なかなかできないでしょうが、想い描くことはできるわけです。どうすれば、世の中がそういう方向に向いて行くのか。そのくらいのことは、もしかしたらできるんじゃないかなとも思うわけです。

そのためには、毎日の生活の中で何を選ぶのか、何を必要とするのか、ひとりひとりがはっきりした選択をして、そういう声をあげ続けていくことが大事なんだと思うわけです。

しかし、メカニカル・フードとは言い得て妙です。この作品を観ると本当にそう思いますよ。

 

フードインク公式サイト

ポリフェイスファーム/USA TODAY